衝突は奇跡。
新しい感覚を見つけると動きが変わります。それまで想像もつかなかった精度で動くことができるようになり、十分に抑えさせていたとしても、すり抜ける事が出来るようになります。
それでも、二度三度、繰り返して技を行うと相手はそれについてきます。人間の持つ「慣れ」というすごい力です。
相手についてきてもらうと、このままではダメだ、もっと、なにかを見つけなければ、と思えるようになります。この気持ちがなくては新しい発見はありません。
だからこそ、カラダラボでは、先輩後輩や、持っている段位などの気持ちの遠慮が出ないように、入会もなければ受講証もありません。とにかく、研究が第一なのです。
嗅覚を使う方法があることがわかり、技はガラッと変わりました。これまで困っていた技もスルリと行きます。
ただ、うまく動けたときにはその軽やかさがあるのですが、時々、ぶつかるのです。
その衝突が頭を働かせてくれます。
動き方は分かっていて、そのようにやっているはずなのに、なにが衝突を作っているのだろうか?そんな疑問が出て来ます。
疑問が出れば答えが返ってきます。研究する事の楽しさはここにあります。しかも、その答えはその瞬間の自分さえ納得ができればいいのです。
衝突する時、自分の中のなにが影響しているのだろう?と思い、その瞬間を思い出していると、一つ見つかりました。
ぶつかるときには「相手を」考えていたのです。相手をどうこうしたい、相手を動かしたい、と思い動いている自分がいました。
うまく動けたときにはそれはありません。自分が進みたいところへと身体を進ませるだけです。
こちらが自由のまま動いた「結果」、相手は置き去りにされ、勝手に崩れていきます。
新しい世界を見つけた瞬間はその楽しさで相手にかまう暇なく、ただ行きたいところへ進んでいたみたい。
でも少し飽きてくると、今度は相手を気にしてしまっていたわけです。
相手の中にも力があります。
潜在的な力は相手も無限です。相手に向き合い、力を引き出していたのかもしれません。
そう考えると、衝突も楽しい、と思えてきます。
ちょっと思考を広げてみると、ひろい宇宙の中ではほぼ、衝突はありません。星と星が出会う確率はそれこそ、天文学的確率でしょう。
しかし、この地球上では、山ほど衝突があり、それが当たり前になっています。
せっかくの衝突です。その衝突を生かし、学び、新たな世界を見つけるために使いたいと思います。
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