裏の身体の発見
10月31日、突然、鼻の奥に新しい感覚を得ました。
喉の奥に息をぶつけるようにする事で、そこが「ある」という感覚を得たようです。
なにかが「ある」というのはとても大切な事です。「ある」と分かるからこそ、それを動かすことができます。
鼻の奥に見つかったものはまだなんの働きもしません。ただ「ある」だけです。それでも、「ある」事がわかったので、動かすことができます。
この鼻奥にある部分が動くと、頭全体が動きます。場所的にも頭部分の重心位置に近いようですから当然かもしれません。
このバランスのいい部分が直接動くことで、「結果的に」、末端は大きく動かされていきます。
特に技として変わったのは剣です。
剣術はほとんど稽古をしないので素人剣法です。むしろ、剣術を稽古せずに、このまま素人でいたい、そう願っています。
なぜなら、稽古をすれば無意識に上達してしまう事があるからです。
テクニックとして使えるものを得てもそれはその世界の中でしか使えません。私は根本が知りたいと思っています。ですから、剣の素人のまま、自分の中で驚ける動きはないか、と探っているのです。
そして、やっと、自分でもびっくりする動きと出会う事ができました。
剣先を飛ばすのに、どうしても、握っている手、支えている体幹、それらを動かさなくてはいけなかったのですが、頭が先に動くようになり、手や体幹はそのままに、剣先だけが飛ぶようになりました。
頭が先に、と書きましたが、これまで認識していた頭は「外」から見たものでした。外の頭を動かすと、つい、首が動きます。首の関節は柔軟なようで、わずかな頭の動きもそのショックを吸収するように動いてしまい、ねじれます。
しかし、鼻奥にある部分を意識して、それが動くと、首どころか、手の内も体幹も意識はそのままでいられます。自分の動きを自分の目で追えないのは初めてです。
その鼻奥ですが、どうやらさらに「奥」がありました。
鼻奥に見つかったものは頭の重心です。
そして、それは鼻を使い、匂いを嗅いでいるようにすると意識しやすいようです。鼻ですからね、当たり前かもしれません。匂いがない、匂いがしない事で忘れていました。
鼻は匂いを嗅ぐものです。その「嗅ぐ力」を内側に向けます。
そして息がそれをさらに助けてくれる事もわかりました。
鼻奥にある頭の重心は息を「吐く」事で動きが生まれやすいのです。
そして「吸う」息はお腹に入っていく事がわかります。
その息に乗せるように「嗅ぐ力」を使います。
食道を通り、胃の中へと鼻の感覚が伸びていくのがわかります。
その時、鼻奥の時と同じように「ある」という事がわかります。
吸う息に合わせたことで見えてくる身体は体幹部です。
体幹部の内側がしっかりと自覚できることでねじれにくい身体となります。
頭ほど速くはありませんが、大きさがある分、力は大きく相手に伝えれます。
身体の内側に気付いてほんの数日なのに、これまでの動きをすべて捨てざるをえない状況になってきました。
ただ、鼻から感じられる身体は「内観的身体」そのもののような気もしています。
視覚、触覚、聴覚は頭で理解しやすい感覚だったのかもしれません。そのわかりやすさが頭がでしゃばるきっかけを作っていたようにも思えます。
感じたままを残すために今、これを書いています。
稽古に来られて試されたときには別の使い方、考え方に変わっているかもしれません。それでも、それは、今の状況を通ってそこに行ったものです。
疑問になったところ、気になったところ、稽古の際、遠慮なく聞いてください。
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