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【稽古録】2017/09/14 身体は予感する

ひさしぶりに夜、テレビ東京のカンブリア宮殿を見る。
この番組はキラキラ輝く経営者をかっこよく紹介してくれる。自分にないものを見て憧れているのかもしれない。
ただ、技の変化とともに憧れは消えてきた。みんな人それぞれであり、真似はできないと分かってきたから。
 
いや、身体の使い方で言えば稽古は真似であり、真似る事でしか学べない。身体という同じ構造を持っている事を自覚した方が我を捨てられる。ただ、外の世界になにかを残そうとした時にはオリジナルでなくてはカッコ悪いと思うようになってきた。
そんな思いを持ち出したあたりからなんとなく好きだった番組も見る機会が少なくなっていたのだが、今日はたまたまついていたテレビをなんとなく見ていた。
 
今日の特集はマザーハウスという会社を立ち上げた山口さんという女性。同じ山口でもこの山口さんは波乱万丈の人生を送っている。うん、自分とは性格は真逆だなぁ、と憧れる。かっこいい!
ただ、人生は人それぞれだ。そう思いながら眺めていると気持ちは覚めてくる。
 
そんな中、彼女が作り上げた鞄の紹介をし始めた。
皮でありながら軽い、というのだ。司会の村上龍さんとアシスタントの小池栄子さんが手にとった瞬間、ギョッとした。姿勢が良くなり、身体が浮いたのだ。
何かを手に持つわけだから当然、重さが身体に負担としてかかるはず。それなのに、手にして、肩にかけたりしている姿勢は何も持たない時よりも軽いのだ。
 
なぜだろう?と頭に疑問がわけば自然と答えが出てくる。これまで得てきた知識や知恵を組み合わせその現象に答えを出してしまうのが人間だ。なかなか不思議を不思議なまま置いておけない。
鞄を持ったのに姿勢が軽くなったのは、予測と現実とのギャップがさせたのではないかと思っている。
「皮の鞄」、人それぞれ、そこに違いはあるがある程度の重さを予測してしまうはずだ。紙の鞄ならそれなりに軽く、しかし、皮であれば少し重めに予測を作る。
その予測が外れ、身体が崩れるほど軽かったのではないか、と思う。軽く浮いている姿勢に見えたのは重心の観点からすれば崩れているともいえる。
 
人は予測なしでは生きられない。改めてそれを考えた。
同じことを経験したとしても、それを「嫌」とも思えるし、「好き」とも思える。その生まれてきた感情は予測があったからこそ生まれたものだ。
 
何日か前、下駄の話をした。下駄の効用に自覚がないまま下駄に乗り、上からぶら下がってもらうと「重さ」を感じ「嫌」な気持ちがでる。なにも負荷のなかった状態から数十キロを背負うのだから嫌と思うのは仕方ない。
しかし、この重さを下駄なしで背負うともう大変。一歩足を出すたびに身体が崩れ大変な事になる。
下駄に乗ったおかげで数十キロの負荷に対して崩れないまま、姿勢を保持して歩くことができるのだ。
効用を知っていれば、下駄に乗っていてよかった、と思える。そして、その効用を自覚し、そこから身体の可能性を感じてみると、嫌という感情ではなく、楽しささえ出てくる。この体験は予測があるからこそ生まれるものだ。
 
そういえば、一年ほどまえ、犬山城下にある反物屋さんで真綿のショールを手にした時にもこの感覚を得ていたのを思いだした。今の今まですっかり忘れていた(笑)。
当時は騙された身体を見つけて不思議な感じとして記憶に残ったが、それはそれ、直接なにかに影響がでるとは思いもよらなかった。
今「予測」というキーワードが気になって仕方がない。最近の術理群と「予測」という言葉が繋がりそうな「予感」がある。
きっとここからでてくる気づきは屁理屈であり、多くの人にとっては共感を得られにくいものだと思う。しかし、それでも、私の中に「納得」が生まれてしまうとそれで身体は変わってしまう。
この身体で大丈夫と思える状況で相手と向き合えば、崩れる事が無くなるからだ。
 
身体的技法も楽しいが、自分の中の不思議が解決していくプロセスも楽しい。
歳を重ねると、知らず知らずのうちに心の奥に抑え込んでしまったものがたくさんある。チリのようなものでも、結構渦高く積もっているものだ(笑)。
それらがちょっとずつ解決されていく事に喜びを得られれば、いつの間にか困難に対してニコニコと向き合えるようになる。これも不思議だ(笑)。

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